勝手に同期して重くなる!OneDrive自動バックアップを安全に止める方法
パソコンを使っていて、「デスクトップやドキュメントの中身が勝手にOneDriveへ保存されている…」と気づいたことはありませんか。OneDrive(ワンドライブ)は、Microsoftが提供するクラウドストレージサービスで、ファイルをオンライン上に自動バックアップしてくれる仕組みです。Windowsでは基本的に、初期設定の段階で自動的に有効化されている機能のため、特に操作しなくても同期が始まるケースが多くあります。
便利な反面、同期処理のせいでPCの動作が重くなったり、ファイルの保存場所がわかりにくくなったりすることがあります。MicrosoftがOneDriveを推しているのは、どのデバイスからでも同じファイルにアクセスできる「クラウド一体型の使い方」を広めたいからです。ただし、常にネット通信が発生するため、すべてのユーザーにとって最適とは限りません。
この記事では、主に個人向けのOneDriveを対象に、デスクトップやドキュメントの自動同期を安全に止め、PCの動作を軽くする設定方法を紹介します。現場で多くのWindows環境を扱ってきた経験をもとに、初心者の方にもわかりやすい手順で解説します。
目次
OneDriveがPCを重くする原因を知ろう
OneDriveはファイルを自動でクラウドに保存してくれる便利な機能ですが、その自動同期が思わぬ負担になることがあります。特にノートパソコンやストレージ容量が限られた環境では、以下のような原因で動作が遅くなる・重く感じることがあります。
デスクトップやドキュメントが自動でクラウドにバックアップされている
Windowsでは初期設定のまま使うと、デスクトップ・ドキュメント・ピクチャの各フォルダーが自動的にOneDriveと同期する設定になっています。つまり、これらのフォルダー内のファイルは、常にクラウドと同じ状態を保つためにバックグラウンドで転送処理が行われているのです。
特に、画像や動画など容量の大きいファイルを多く扱っている場合、同期処理に時間がかかり、結果としてPC全体の動作が遅く感じられることがあります。
常時同期でCPUや通信の負荷が増える
OneDriveは「ファイルを変更したらすぐ反映する」仕組みのため、バックグラウンドで常に動作しています。これにより、CPUやメモリ、ネットワーク通信が常に使用され続ける状態となり、他のアプリケーションの動作に影響を与えることがあります。
特にHDD搭載のパソコンやメモリ8GB未満の機種では、同期処理の負荷が体感的に大きく、アプリの起動やファイル操作が遅く感じられることがあります。さらに、通信速度が限られた環境(モバイルルーターやポケットWi-Fiなど)では、同期が遅れてエラーや一時停止を繰り返すケースも見られます。
クラウドとローカルの混在でファイル管理が複雑になる
OneDriveを有効にしたままだと、ファイルの保存先が「このPC」なのか「OneDrive」なのか分かりにくいという問題が発生します。見た目はデスクトップ上にあるように見えても、実際はクラウド上のファイルで、オフラインでは開けないといった状況も起こります。
このように、OneDriveの自動同期は便利な反面、通信・処理・管理の3つの面で負荷を生む要因になります。次の章では、今どのフォルダーがOneDriveと同期しているのかを確認し、不要な同期を見直す手順を紹介します。
OneDrive自動バックアップを安全に停止する手順
ここからは、実際にデスクトップやドキュメントなどの自動バックアップをオフにする手順を説明します。設定を誤るとファイルが消えてしまうこともあるため、必ず手順どおりに進めることが大切です。
「バックアップを管理」から同期を解除する
- タスクバー右下のOneDriveアイコン(雲のマーク)をクリックします。
- 右上の歯車マークから「設定」を開きます。
- 「同期とバックアップ」を選び、「バックアップを管理」をクリックします。
- 表示された画面で、デスクトップ/ドキュメント/ピクチャのうち不要なもののスイッチをオフにします。
このとき、「バックアップを停止しますか?」という確認メッセージが表示されます。
ここで「このフォルダーのバックアップを停止」を選択すると、クラウドへの自動同期が解除されます。
解除してもファイルを消さないための注意点
同期を停止すると、OneDrive上のデータとパソコン側のデータが分かれるため、ファイルの保存場所が変わる点に注意が必要です。
- OneDriveのクラウド上に残るデータ … 「OneDrive」フォルダー内に保存されています。
- パソコン側に残したいデータ … 手動で「PC(C:)→ ユーザー → デスクトップ/ドキュメント」などへコピーしておきましょう。
解除前にローカル(このPC)へ必要なファイルをコピーしておくことが安全策です。
ローカルにコピーを残してから解除する
手順としては次のようになります。
- エクスプローラーで「OneDrive」フォルダーを開く
- デスクトップやドキュメントなど必要なフォルダーを選択
- 右クリックでコピーし、Cドライブ内の同名フォルダーへ貼り付ける
なお、同期を停止しても、OneDrive上のデータは自動で削除されません。必要に応じてWebから確認できます。
解除後に「PC側に戻す」フォルダー整理のポイント
同期を解除したあと、デスクトップやドキュメントが一時的に空になることがあります。
その場合は、先ほどコピーしておいたローカルファイルを元の場所に戻しましょう。
フォルダー構造(Desktop/Documents/Pictures)を元どおりに整理しておくと、後で混乱しません。
この操作で、OneDriveによる自動バックアップを安全に停止できます。
次の章では、完全に同期を止めたい場合(アカウント解除や自動起動の停止)の方法を紹介します。
完全に同期を止めたい場合の設定方法
特定のフォルダーだけでなく、OneDriveの動作そのものを止めたい場合は、次の3つの方法があります。自動起動を無効にする、アカウントとのリンクを解除する、そしてアプリをアンインストールする。目的に合わせて、最も適した方法を選びましょう。
OneDriveを自動起動しないようにする
パソコンを起動するたびにOneDriveが立ち上がると、バックグラウンドで常に同期処理が動いてしまいます。
これを防ぐには、スタートアップ設定を変更します。
- タスクバー右下のOneDriveアイコン(雲のマーク)をクリックします。
- 右上の歯車マークから「設定」を開きます。
- 「設定」タブを選び、「WindowsにサインインしたときにOneDriveを自動的に起動する」のチェックを外します。
これで、次回のWindows起動時からOneDriveは自動で立ち上がらなくなります。
必要なときだけ手動で起動すれば問題ありません。
アカウントリンクを解除する方法
OneDriveと完全に切り離したい場合は、アカウントのリンクを解除します。
これにより、クラウドとの自動同期が完全に停止します。
- OneDriveの設定画面を開き、「アカウント」タブを選びます。
- 「このPCのリンク解除」をクリックします。
- 確認メッセージが表示されたら、「アカウントのリンクを解除」を選びます。
これでOneDriveとの接続が切れます。
クラウド上のファイルはそのまま残りますが、パソコンとは同期されなくなります。
必要なデータがOneDriveフォルダー内にある場合は、解除前にローカルへコピーしておくと安心です。
アプリをアンインストールする場合の注意点
OneDriveを完全に使わない場合は、アプリ自体を削除することも可能です。
ただし、MicrosoftアカウントやOfficeアプリと連携しているため、削除の前に次の点を確認しましょう。
- OneDrive上にしか存在しないファイルは、事前にパソコンへダウンロードしておくこと
- 複数のPCやスマートフォンで同じアカウントを使っている場合、他の端末にも影響することがある
- WordやExcelなどの「自動保存」機能が無効になる場合がある
アンインストールするには、Windowsの「アプリと機能」を開き、OneDriveを選んで「アンインストール」をクリックします。これでOneDriveの常駐も停止し、バックグラウンドでの同期処理は完全に行われなくなります。
ただし、将来的にOneDriveを使う可能性がある場合は、アンインストールせず自動起動を無効にしておく方法がおすすめです。アプリを残しておけば、必要になったときにすぐ再設定できます。
方法1:OneDriveの設定画面から自動起動をオフにする
アンインストールせず、OneDriveを「使わない状態」で維持するには、次の設定を行います。
- タスクバー右下の雲アイコン(OneDrive)をクリックします。
- 右上の歯車マークを開き、「設定」を選びます。
- 「設定」タブの中にある「WindowsにサインインしたときにOneDriveを自動的に起動する」のチェックを外します。
- 設定を閉じてパソコンを再起動します。
これで、次回起動時からOneDriveは自動で立ち上がらなくなります。
方法2:スタートアップ設定から自動起動をオフにする
- タスクバー左下の検索窓に「スタートアップ」と入力します。
- 検索結果に表示された「スタートアップ アプリ」をクリックします。
- スタートアップアプリ一覧の中から「Microsoft OneDrive」を探します。
- 右側のスイッチを「オフ」に切り替えます。
こちらの方法は、Windows 10/11共通で簡単に操作でき、ほかの常駐アプリも一覧で確認できるため、一度に環境を整理したい人にもおすすめです。
このように、OneDriveのアンインストールに不安がある場合は、これらの設定で自動起動を止めるだけでも十分に動作を軽くできます。
OneDriveを止めた後のおすすめ活用術
OneDriveの自動同期を停止したあとは、必要なファイルをどこに保存するかを決めておくことが大切です。ここでは、パソコンを軽く保ちながら安全にデータを管理するためのいくつかの方法を紹介します。
外付けSSDやUSBメモリに定期バックアップする
クラウドを使わなくても、外付けSSDやUSBメモリを利用すれば簡単にバックアップが取れます。特に写真や動画などの大容量データは、クラウドよりもローカル保存の方が転送が速く、作業もスムーズです。
- 月に一度など定期的にバックアップを行う
- 重要なデータは複数のメディアに分けて保存する
- デバイスを抜く前には「安全な取り外し」を忘れない
必要なときだけブラウザ版OneDriveを使う
OneDriveの自動起動を無効にしたり、アプリをアンインストールしたあとでも、ブラウザから利用することは可能です。
Microsoftアカウントを持っていれば、どのパソコンからでも簡単にアクセスできます。
ブラウザ版One Driveを使う手順
- ブラウザで「onedrive.live.com」を開きます。
- Microsoftアカウント(OutlookやHotmailなど)でサインインします。
- 表示された画面で「アップロード」ボタンをクリックし、保存したいファイルを選びます。
- 必要に応じてフォルダーを作成したり、共有リンクを発行したりできます。
ブラウザ版OneDriveは、Edge、Chrome、Firefoxなど主要なブラウザで利用できます。アプリをインストールしていなくても、必要なときだけファイルをアップロード・共有できるため、常時同期による負担を避けながらクラウドを活用できます。
普段は同期を止めてローカル保存を基本にし、必要なときだけブラウザでアクセスする。この方法がもっとも安全で、環境を問わず使えるおすすめの運用です。
まとめ:自動同期を見直してPCを軽くしよう
OneDriveは確かに便利な機能です。ただ、Windowsでは最初から自動的に有効になっているため、ユーザーが意識しないうちにデスクトップやドキュメントの内容がクラウドと同期され、結果的に動作が重くなることがあります。
私自身、業務用PCのセットアップやメンテナンスを行う中で、この「OneDriveが原因で重くなる」ケースを何度も見てきました。とくに容量の大きいデータを扱う方や、ローカル中心で作業する方にとっては、必要以上の同期は負担でしかありません。
ただし、OneDriveを完全に削除するのではなく、使い方を自分のスタイルに合わせて調整することが大切です。自動起動を止めておき、必要なときだけブラウザ版を利用する――それだけで動作は安定し、ネットワークの負荷も減ります。
クラウドは便利な道具ですが、必ずしも常に動かす必要はありません。自分の使い方に合った設定へ見直すことこそ、快適なWindows環境を長く保つコツだと感じています。ぜひ一度、自分のOneDriveの設定を確認してみてください。
⚠️ 免責事項
設定変更・作業・インストール方法などの紹介記事はあくまで参考情報です。読者が記事をもとに実行したことによるいかなる損害・不具合についても、ウィドックでは一切責任を負いません。すべて自己責任で行ってください。

