ホームページ制作を依頼する前に確認したい契約書のチェックポイント
ホームページ制作に関するトラブルは、契約段階の確認不足が原因になることが多いです。とくに初めて依頼する人からは、「契約書はあるけど、どこをどう見ればいいのかよくわからない」といった声を聞く機会もあります。中小規模の案件では、細かな条件が契約書に明記されず、口頭やメールのやりとりだけで進んでしまうことも少なくありません。
ウィドックの拠点である山形県寒河江市をはじめ、地方では制作会社とのやりとりが「顔なじみ」や「紹介ベース」で始まることも多く、条件のすり合わせが曖昧なまま進行してしまうケースもあります。実際に、商工会から「それならウィドックさんに聞いてみたら?」と紹介されてご相談いただいたこともあります。「あとで揉めたくない」と思うなら、最初の段階で契約書に何が抜けているかに目を向けておくことが大切です。
この記事では、そうしたトラブルを防ぐために、契約前に確認しておきたい項目を整理しました。「ちょっと不安かも」と感じている方は、まずはここからチェックしてみてください。
目次
ホームページ制作契約書を隅々までチェックする重要性
ホームページ制作の契約書には、技術的な専門用語や業界独特の表現が多く含まれています。そのため、表面的な内容だけを見て判断すると、後から「こんなはずではなかった」というトラブルに発展することがあります。実際にウィドックが相談を受けたケースでも、契約書に一通り目を通していたものの、解釈の違いや不明瞭な点から問題が発生していた例がありました。理解できない点は納得ができるまで、しっかり説明してもらいましょう。
ここでは、契約を進める前に確認しておきたい重要なポイントを一つひとつ整理して解説します。どれも「よくある見落とし」ですので、ぜひご自身の契約書にも照らし合わせてみてください。
ホームページ制作の契約書には、少なからず「専門用語」が使われています。理解できない点は納得ができるまで、しっかり説明してもらいましょう。
契約書チェックリスト(確認すべき主なポイント)
- 契約期間とその更新条件を確認する
- 契約金額に含まれない費用やオプションの条件を確認する(←ここを前倒し)
- 中途解約時の条件や違約金について確認する(←この項目も前に)
- サポートや保守の提供内容・期間を確認する
- 納品後の修正対応と追加料金の条件を確認する
- 著作権や制作物の使用範囲について確認する
- ドメインやサーバーの名義と引き継ぎ条件を確認する
- 契約時に使用されている専門用語をしっかり理解する
契約期間とその更新条件を確認する
「3年契約」や「5年契約」など、長期の契約が設定されている場合は要注意です。更新条件が自動更新になっているケースもあるため、途中解約や更新の意思表示についてのルールも確認しましょう。
サポートや保守の内容・期間が明記されているか確認する
「サポート付き」と書かれていても、その中身が曖昧なことがあります。以下のような点を明確にしてもらうと安心です。
- サポートは何年間か?無期限ではないか?
- 修正・更新は月に何回まで可能か?
- 電話やメールでの問い合わせ対応も含まれているか?
- サーバー障害やセキュリティトラブルにも対応するのか?
- 別途費用が発生する作業があるかどうか
「契約期間」と「サポート期間」が異なる契約は少なくありません。たとえば、制作契約は5年でもサポートは1年間のみ、その後は別契約が必要というケースもあります。トラブル防止のため、どこまでが基本契約に含まれるのか、明確にしてもらいましょう。
納品の定義が具体的に記載されているか
「納品」は、完成後にメールでURLを送るだけという業者もあります。以下のような点を確認しましょう。
- サイトの公開をもって納品とするのか?
- 制作データ(HTML、CSS、画像など)の提供はあるか?
- WordPressのログイン情報は引き渡されるのか?
無料対応の範囲と追加料金が発生する作業は明確にされているか
契約書に「修正対応は◯回まで無料」などといった記載がなく、納品後に発生した軽微な修正について、後から思わぬ追加料金を請求されるケースもあります。文言の変更や画像の差し替えといったよくある修正について、次のような点が契約書に明記されているかをチェックしましょう。あいまいな表現や記載がない場合は、事前に確認しておくのが安心です。
- 無料で対応してもらえる修正内容と回数
- どのような作業が追加料金の対象になるか
- 修正対応の期限(例:納品後◯日以内など)
- ページ追加や画像作成、プログラムの設定・追加など、明らかに有料になる作業例が記載されているか
費用の内訳と追加料金が発生する条件が明記されているか
「初期費用+月額費用」といった表現だけでは不十分です。以下のような費用が別途必要になることがあります。
- サーバー・ドメインの更新料
- SSL証明書やセキュリティ対策の費用
- ページ追加・バナー制作などのオプション費用
制作物の著作権や使用権の取り扱いが明記されているか
ホームページ制作で使用されるロゴ・写真・文章・イラストなどには著作権や使用権が関わっており、契約書でその扱いがどう記載されているかを確認しておくことが大切です。特に注意したいのは「再利用(=二次利用)」の可否です。以下のようなケースでは、別契約や追加費用が必要になることがあります。
👉再利用の具体例
- ロゴをチラシや名刺に使いたい
- 写真をSNSや広告素材に流用したい
- バナー画像やキャッチコピーを他媒体に転用したい
こうしたホームページ以外での使用は、制作会社によって対応が異なります。中には再利用自体を禁止しているケースや、追加費用が発生する場合もあるため、契約前に以下の点をチェックしましょう。
契約前に確認しておくべきポイント
- ホームページ以外での使用は許可されているか?
- 可能な場合、費用や使用条件はどうなっているか?
- 元データ(ai / psd / RAWなど)の提供は含まれているか?
💡 ウィドックの場合
撮影した写真や制作したロゴ・バナー等を、他の媒体でご利用されたい場合は、事前にご相談いただければ、利用内容に応じて条件を明確にご案内しています。契約書にも再利用に関する取り決めを記載しています。
無料かどうかに注目するのではなく、再利用が可能かどうか、可能な場合は条件や費用を契約書で明確にしておくことが、後々のトラブル防止につながります。
中途解約の条件と違約金の有無を確認する
契約を途中で終了したい場合、多額の違約金が発生することがあります。また、以下の点にも注意しましょう。
- 解約後も月額料金が発生し続けるケースはないか?
- 解約時の手続きや事前通知の条件
解約後のホームページの取り扱いについて確認する
ホームページの契約を終了する際には、事前にデータの取り扱いや引き継ぎ方法について確認しておくことが重要です。特に初めてホームページを依頼される方にとっては、ドメインやサーバーの契約内容は見落としがちなポイントです。実際に、契約解除後に「突然ホームページが消えてしまった」といったトラブルが発生することもあります。
- 解約後のホームページはどうなるのか?
- バックアップデータの提供はあるか?
- WordPressのテーマファイルや画像類のダウンロード可否
- 他社サーバーへ移行する際に必要なデータ一式が受け取れるか?
👉 ウィドックのドメイン・サーバー管理について
ウィドックでは、ドメインやサーバーの契約・更新を一括して代行しています。これは、技術的な手続きや設定が難しい方でも安心して利用いただけるようにするためで、更新漏れによるトラブル防止にもつながっています。また、お客様のご希望により、他社へのドメイン移管やサーバー移転を行う場合も、事前にご相談いただければ柔軟に対応しています。
契約書に記載のない事項が口頭で説明された場合の対応
口頭で「これは含まれています」と言われても、契約書に書かれていなければトラブルの元です。重要な説明は必ず書面化してもらいましょう。
- メールや議事録などで記録を残しておく
- 書面で再確認を依頼する
このように、契約書の中には一見すると問題なさそうに見える表現でも、実際には大きな違いを生む記述がたくさんあります。契約書を受け取ったら、すぐに署名するのではなく、時間をかけて丁寧に読み込み、必要であれば第三者の専門家にも確認してもらうと安心です。
以下は、ウィドックがこれまでの相談事例をもとに整理したチェックリストです。
⚠️ 契約書の内容に不安があれば相談
契約書の内容に不安があれば、地元の商工会や中小企業支援機関に相談するのも一つの方法です。多くの場合、商工会や中小企業支援機関では、信頼できる専門家を紹介してくれることがあります。契約書に記載された内容や、理解しづらい専門用語に不安を感じた際は、早めに専門家に相談し、後々のトラブルを防ぐためにしっかり確認しておくことが大切です。
ウィドックでの契約書に関するトラブル事例とその原因
契約書の記載が不十分だったり、重要な項目が曖昧に記載されていたりすることが、よくあるトラブルの原因となります。例えば、修正対応の範囲や回数、サポート内容が不明確な場合、後々追加料金が発生したり、サービス内容に対する認識のズレから予想外のトラブルが起きたりすることがあります。
実際のウィドックで受けたホームページ契約に関するトラブルの相談の経験から、こうした契約書に不明確さがあることによるトラブル事例をいくつか紹介します。
ケース1:修正回数に関する誤解が原因で追加料金が発生した事例
納品後に無制限で修正を依頼できると思っていました。
でも、ホームページの修正を依頼したところ、
別途費用がかかると言われてしまいました。
私の認識では無制限で何度でも修正してもらえると思っていたので、
別料金がかかると言われて本当に驚きました。(山形県寒河江市 ジュエリーショップ経営者様)
👉 ウィドックの対応
ご相談をうけて実際にお客様のところにお伺いして、当時の契約書を確認させていただき、内容をチェックしました。その結果、契約書に記載されていた修正回数の制限や追加料金の発生条件は正確に記載されており、お客様が契約書の内容を十分に確認されていなかったことが分かりました。しかし、契約書には専門用語も多く、お客様が内容を理解しづらかったことが要因となったと考えられます。その結果、契約書をよく確認せずに契約してしまったようです。最終的には、追加料金の発生について納得し、このまま契約を継続するとのことでした。
ケース2:サポートの期間に関する認識のズレが原因でトラブルが発生した事例
ホームページの修正をお願いしようとしたら、
「サポートはもう終了しています」と言われてびっくり。
そんな話は聞いてなかったので、慌てて契約書を見直したら、
「サポート期間:1年間」と書かれていて……。
そのうえで見積を取ったら、かなり高額な金額を提示されて困ってしまいました。(山形県 寒河江市 アパレルショップオーナー様)
👉 ウィドックの対応
ご相談を受け、まずはお客様からこれまでの経緯を詳しく伺いました。契約書の内容はすでに確認済みとのことだったため、内容を一緒に再確認し、たしかに「サポート期間:1年間」の記載があることを確認しました。そのうえで、契約先の業者に代わってホームページを更新する方法をご提案しました。更新にはFTP情報などの提供が必要でしたが、当初は業者側が情報提供に難色を示していました。そこで、ウィドックから直接業者に連絡を取りってやや強めに交渉した結果、必要な情報を無事に取得し、ホームページの更新作業を実施することができました。
ケース3:長期契約(5年縛り)で身動き取れなくなった事例
当初、営業担当の方がお店に訪問してきて、ホームページ制作についていろいろと説明してもらいました。その際はサポートも無期限で提供されると思っていたし、特に問題もなく契約を決めました。契約後、最初の1年半から2年目くらいは、担当者が定期的に訪問してくれて、ホームページの更新作業も普通に行えていたので、何も疑うことはありませんでした。しかし、その後、担当者と連絡が取れなくなり、制作会社に直接問い合わせをしたところ、担当者が所属していた仙台支店が閉鎖されたと聞かされ、「契約内容を確認します」と言われ、その後は何度か連絡しましたが返事もなく、結局、長期間、何の連絡もない状況が続きました。その結果、ホームページの更新が滞り、料金だけが発生し続けていることに、本当に困り果てていました。(山形県山形市 中小企業経営者様)
👉 ウィドックの対応
お客様からのご相談を受け、状況を詳しくお伺いしました。お客様が契約した制作会社は5年契約を結んでおり、最初は問題なくサポートが提供されていたとのことです。しかし、その後、仙台支店が閉鎖され、担当者とも連絡が取れなくなり、更新作業が進まない状態が続いていました。最初、担当者から「契約内容を確認します」と言われたものの、その後は一切返事がなく、長期間にわたって連絡が取れない状況が続きました。この時点で、制作業者と連絡が取れず、サーバー情報も得られないため、ホームページの更新ができず、料金だけが発生している状態に困り果てていました。
ウィドックでは、お客様が5年契約のうちまだ3年の契約期間を残していること、さらに制作業者と一切の連絡が取れない状況であることから、これ以上ウィドックとしての対応は難しく、この案件は法的な対応が必要な段階にあると判断しました。そこで、以前にウィドックで商工会を通じて弁護士に相談した経験をもとに、お客様にも商工会に連絡し、状況を説明した上で、専門家に相談されることをおすすめしました。
契約期間はサービス内容とのバランスで慎重に検討する
ホームページ制作における契約期間は、制作会社によって「1年」「3年」「5年」など様々です。中には初期費用を抑える代わりに、長期契約が前提となっているケースもあります。
長期契約には、毎月のコストが割安になる場合もあるなどのメリットがある一方で、途中解約が難しかったり、事業の方向性が変わった際に柔軟な対応ができないといったリスクもあります。また、契約途中でサポートが不十分になるケースでは、移管や対応をスムーズに進めるのが難しくなることもあります。
ウィドックでは、サービス提供の最低利用期間を3年としています。これは、ホームページ運用における成果の蓄積や改善を見据え、中長期的な視点でサポートを行うためです。そのうえで、期間中の技術的な進化やお客様の状況に応じて、できるかぎり柔軟にサポート内容を見直しながら対応しています。
契約期間については、「料金が妥当か」「サポート体制が信頼できるか」「途中で変更・解約したい場合の条件はどうか」など、単に年数だけで判断せず、全体の契約内容とサービスの質のバランスを見て、慎重に検討することが大切です。
トラブル時に相談できる窓口を紹介
契約内容に不安を感じた場合は、こうした相談機関を活用するのも一つの方法です。一方で、普段から契約内容をよく確認し、納得できる条件で進めることが最も重要です。
この記事を参考に、ぜひ自社の契約書を一度見直してみてください。
🔗 さらに詳しく知りたい方
ホームページ制作における契約や方針の違いによるトラブルのリアル(相談先一覧へ)
ホームページ関連の契約についてのまとめ
ホームページ制作に関する契約は、デザインや制作工程そのもの以上に、その後の運用やサポート、費用面でのトラブルを防ぐために非常に重要な要素です。特に契約書の中には、専門的な用語や抽象的な表現が含まれていることが多く、内容をしっかり確認しないまま契約を進めてしまうと、納品後に「こんなはずではなかった」という事態につながりかねません。
この記事では、これまでウィドックが相談を受けてきた実例をもとに、契約書でチェックすべき具体的なポイントや、見落としやすい注意点について整理しました。どれも「事前にしっかり確認していれば防げたトラブル」ばかりです。
ホームページ制作は、一度きりの依頼ではなく、その後も長く関わりが続くパートナーとの取り組みです。だからこそ、契約段階から納得できる形でスタートすることが、安心して運用を続けるための第一歩になります。

